産学連携 共同研究先の紹介

新潟薬科大学

所在地 新津キャンパス:新潟市秋葉区東島265番地1
新津駅東キャンパス:新潟市秋葉区新津本町1丁目2番37号
設立 1977年
学部
  • 薬学部
  • 応用生命科学部
研究科
  • 薬学研究科
  • 応用生命科学研究科

40年にわたり「くすりと健康」のスペシャリストを育ててきた『薬学部』と、「食品・バイオ・環境」分野に関する最先端の教育・研究を行う『応用生命科学部』の2学部を擁し、「くすり」だけでなく、「食品・バイオ・環境」も含めたあらゆる側面から「生命と健康」の科学的な探求を目指す、全国でも有数の生命科学系総合大学です。

新潟薬科大学薬学部教授
杉原 多公通(すぎはら たくみち)先生

専門は化学系薬学、創薬化学、医療系薬学、合成化学、生体関連化学。
「環境汚染物質から医薬品を創る」活動をはじめ、多数の論文や著書を発表、9件の特許を取得しています

共同研究の経緯

正常細胞にあまり損傷を与えず、腫瘍細胞のみを識別して破壊する治療法「ホウ素中性子補足療法(BNCT Boron Neutron Capture Therapy)」の研究を進めていく上で、どうしても必要になる薬剤がBPAです。これが高価でなかなか手に入らないのでネックとなっていました。

そこで、BPAを少しでも安価に供給できるよう、「新しい合成ルートを確立するにはどうしたらいいか」というところから森田薬品工業さんと共同研究が始まりました。

医薬品は一朝一夕でできるわけではなく、多段階合成と言って何段階もかけて作り上げていくものです。そこをできるだけ短い工程でコストを下げて製造するためのプロジェクトが6~7年前に発足し、現在に至っています。

現在の取り組み

実際の治療にはとても多くの薬剤が必要になります。ですから、単価が少し変わるだけでもコストがぜんぜん違ってくるわけです。普通の医薬品はほんの少量で効きますが、BPAはそれとは違い、毒性のない医薬品でたくさん摂取してもあまり問題がない分、桁違いの量が必要になります。つまり、コストを少し下げるだけで最終的に必要な値段がぜんぜん違ってくるわけです。

従来は何百万円とかかっていたものが、百万円、あるいは数十万円にまで下げられる可能性があります。そうすることでこの研究がより普及し、患者さんのご負担をもっと軽減することもできるでしょう。

今回森田薬品工業さんと、とてもいい「合成ルート」を開発することができましたので、現在、権利化しようと動いているところです。

今後の展望

がんはもう治らない病気という時代ではなくなってきています。しかし、それは患者さん自身の体力勝負によるところが大きいのが現状です。従来の外科的な手法や薬物療法、化学療法と言われるものは、がん細胞だけでなく正常細胞にも同じように作用しますから、患者さんの体力的なダメージは避けられません。結局、患者さんの正常細胞とがん細胞のどちらの体力が勝っているのかで決まってしまうのです。

これからはやはりがん細胞だけを集中して破壊するような医薬品が求められると思います。基本的には多面的で毒性がなく、正常細胞にはできる限り何も影響せずにがん細胞のみを攻撃するような、そんなコンセプトの新しい医薬品を森田薬品工業さんといっしょに開発できたらと考えています。

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